注意欠如・多動症/注意欠如・多動性障害 Attention—Deficit/Hyperactivity Disorder

A.(1)および/または(2)によって特徴づけられる。不注意および/または多動性ー衝動性の持続的な様式で、機能または発達の妨げとなっているもの:

(a)学業、仕事、または他の活動中に、しばしば綿密に注意することができない。または不注意な間違いをする(例:細部を見過ごしたり、見逃してしま、作業が不正確である)。

(b)課題または遊びの活動中に、しばしば注意を持続することが困難である(例:講義、会話、または長時間の読書に集中し続けることが難しい)。

(c)直接話しかけられたときに、しばしば聞いてもらえないように見える(例:明らかな注意を逸らすものがない状況でさえ、心がどこか他所にあるように見える)。

(d)しばしば指示に従えず、学業、幼児、職場での義務をやり遂げることができない(例:課題を始めるのがすぐに集中できなくなる、または容易に脱線する)。

(e)課題や活動を順序立てることがしばしば困難である(例:一連の課題を遂行することが難しい、資料や持ち物を整理しておくことが難しい。作業が乱雑でまとまりがない、時間の管理が苦手、締め切りを守れない)。

(f)精神的努力の持続を要する課題(例:学業や宿題、青年期後期および成人では報告書の作成、書類に漏れることなく記入すること、長い文書を見直すこと)に従事することをしばしば避ける、嫌う、またはいやいや行う。

(g)課題や活動に必要なもの(例:学校教材、鉛筆、本、道具、財布、鍵、書類、眼鏡、携帯電話)をしばしばなくしてしまう。

(h)しばし職業活動的にば外的な刺激(青年期後期および成人では無関係な考え方も含まれる)によってすぐ気が散ってしまう。

(i)しばしば日常の活動(例:用事を足すこと、お使いをすること、青年期後期および成人では、電話を折り返しかけること、お金の支払い、会合の約束を守ること)で忘れっぽい。

(2)多動性および衝動性:以下の症状のうち6つ(またはそれ以上)が少なくとも6か月以上持続したことがあり、その程度は発達の水準に不相応で、社会的および学業的/職業活動的に直接悪影響を及ぼすほどである:

(a)しばしば手足をそわそわ動かしたりトントン叩いたりする、またはいすの上でもじもじする。

(b)席についていることが求められる場面でしばしば席を離れる(例:教室、職場、その他の作業場所で、またはそこにとどまることを要求される他の場面で、自分の場所を離れる)。

(c)不適切な状況でしばしば走り回ったり高い所へ登ったりする(注:青年または成人では、落ち着かない感じのみに限られるかもしれない)。

(d)静かに遊んだり余暇活動につくことがしばしばできない。

(e)しばしば”じっとしていない”、またはまるで”エンジンで動かされているように”行動する(例:レストランや会議に長時間とどまることができないかまたは不快に感じる:他の人達には、落ち着かないとか、一緒にいることが困難と感じられるかもしれない)。

(f)しばしばしゃべりすぎる。

(g)しばしば質問が終わる前に出し抜いて答え始めてしまう(例:ほかの人達の続きを言ってしまう:会話で自分の番を待つことができない)。

(h)しばしば自分の順番を待つことが困難である(例:列に並んでいるとき)。

(f)しばしば他人を妨害し、邪魔する(例:会話、ゲーム、または部下に干渉する:相手に聞かれずにまたは許可を得ずに他人のものを使い始めるかもしれない:青年または成人では、たにんのしていることに口出ししたり横取りすることがあるかもしれない)。

B.不注意または多動性ー衝動性の症状のうちいくつかが12歳になる前から存在していた。

C.不注意または多動性ー衝動性の症状のうちいくつかが2つ以上の状況(例:家庭、学校、職場:友人や親戚といるとき:その他の活動中において存在する。

D.これらの症状が、社会的、学業的、または職業的機能を損なわせているまたはその質を低下させているという明確な証拠がある。

E.その症状は、統合失調症、または他の精神病性障害の経過中にのみ起こるものではなく、他の精神疾患(例:気分障害、不安症、解離症、パーソナリティー障害、物質中毒または離脱)ではうまく説明されない。