また、それらのライフイベントに対して万人が同じ反応を示すとも考えにくいことも事実です。
そこでこの考え方に異論を唱えたのがラザラスやフォークマンであり、もっと身近にストレスをはかる要因はないかと考え、これを日常よく起きる些細な出来事を対象としてそれによってどの位ストレスが起こるかを研究、提唱しました。
そして上述したように、たとえ日常起こる些細な出来事でも万人が同じ反応を示すわけではないと考え、ストレッサー(ストレスを引き起こす原因)とストレス反応(その結果起こる、身体的、心理的、行動面での変化)の間にあると考えました。
そしてそれを「認知的評価」とし、ストレスに対して個人がそれをどのように受け取るかでストレスの度合いは決まってくると考えました。
その認知的評価の結果、対象とする出来事がストレスを引き起こすものであると判断した場合、それに対しての対処の方法、つまり「ストレスコーピング」によってもストレスの度合い、ストレス反応はことなってくると考えました。
つまりラザラスのストレスに対する理論をまとめるとまず、第一段階でストレスの原因を日常よくおこる些細な出来事「デイリー、ハッスル」であるとし、それに対しそのストレッサーは驚異的か、など1次的評価を行い、2次的評価において、どういった対処をするか
によってストレス反応は決定されることになるとしました。
先述したように例えば「結婚」イコール50のストレスを起こす、ではなく個人的に結婚にたいしてどういったとらえ方をするかそして、どういった対処をするか、実際行ったかを通して「結婚」によって引き起こされてくるストレスの程度が異なってくるわけです。ですからマリッジブルーはマリッジレッドにもパープルにもなりえる、ということです。
以上の過程でストレスがどのように起こってくるのかを考えることができます。
その他、心理的指標から、また生理的指標からストレスの度合いを測るものがあります。
②心理的指標からストレスの度合いを測るもの
として、
特定のストレス要因のみを測るもの種類(略) 正式名
BDI Beck Depression inventory
CES-D Center for Epidemiologic Studies
SDS The Self-rating Depression Scale
STAI State-Trait Anxiety Scale
MAS Manifest Anxiety Scale
総合的尺度にはGHQ、などがあります。
総合的尺度;多様なストレス要因を測る種類の正式名 特徴
HSCL Hopkins Symptom Checklist
抑うつ反応、脅迫反応、対人的敏感性、不安反応、身体的症状の5因子からなる
SCL-90R SymptomChecklist-Reversed-90
PERI Psychtatric Epidemiology Research Instrument
不安、抑うつ神経質傾向を測定する
GHQ General Health Questionnaire
全身的症状、局所的身体症状、睡眠と覚醒、日常行動、対人行動、日常生活での不満やトラブル、抑うつ、不安の7因子からなる
PSRS Psychological Stress Response Scale 情動的反応として抑うつ気分、不安、不機嫌、怒りの4因子と、認知、行動的反応として自信喪失・自己評価の低下、他者に対する不信、絶望・意欲や希望の喪失など9因子からなる
心理的ストレス尺度
SRS-18 抑うつ・不安・不機嫌・怒り・無気力の3因子からなる。
があります。