心理的指標は主観的な面からしかストレスの度合いを測ることができませんが、簡便、かつ信頼性が高く汎用されているという利点がありましかし生理的指標や免疫的指標は客観的にストレスの度合いが測れるという利点がある反面、測定にあたって血液、唾液の採取そしてその分析など多くの手間を要するという欠点もあります。
その反面、心理的指標は主観的な面からしかストレスの度合いを測ることができませんが、簡便、かつ信頼性が高く汎用されているという利点があります。
ではそのストレスを測る心理的指標にはどのようなものがあるのでしょうか?
大きく分けると2種類あり、1つの要因例えば、抑うつ感などのみを対象としてストレスの値を測るものと、多数の要因不安、神経質であるなどを対象としてストレスの値をはかるものがあります。
1つの要因のみを対象としたものは1次元的尺度とよばれ、多数の要因を対象としたものは、総合的尺度と呼ばれます。1次元的尺度にはBDI、SDSなどがあります。質問数は比較的少なめです。
そしてラザラスのストレスに関する理論デイリーハッスル理論に戻りますが、2次的評価のストレスへの対処の部分でストレスコーピングを選択することになるわけですが、その分類としては、個人の特性によるものいわば類型論のようなものと、ストレスッサーによって変化するものの2種に分けられます。
個人の特性によるものはストレスの種類にかかわらずその個人が血液型のように大まかに決まった対処をするという考え方です。その個人の特性によるとされるもののまず1つめにストレスの対処に関して積極的にかかわるか回避するか、ストレスを肯定的に受け止め、対処するかどうか、ストレッサーを自分のせいにしてしまうか、他のせいにするか
その他行動パターンから見た物があります。
そしてストレスの種類によってその対処を変化させるものの一つとして最もよく知られているものに、焦点にもとずく分類があります。
これは問題焦点型と情動焦点型に分類されるもので、問題焦点型はストレッサーに対して、その問題自体を変化させようとするものであり、状況を変化させたり、問題を明確にしたりといったもので、問題を解決することでストレッサーに対処しようというものです。
これに対し情動焦点型はその問題自体に対する自分の考え方を変化させてストレッサーに対処しようとするもので、例えば大した問題ではないと考えたり、問題そのものをしばらく考えないようにしたりするものです。その他状況に応じて対処を変化させるものとして、対処の方法をいくつか組み合わせてその組み合わせをその都度変化させるものがあります。
そういったように対処のスタイルも様々なものがあるわけですが、その対処に関しても質問紙をつかった主観的な測定によりどのような対処をするのかをストレスの度合いと同様に、測ることができます。
その測定は大きく2種に分かれ実験的なもの、調査的なものに分けられます。実験的なものとしては、ストレス下に被験者を置き強制的に対処方法を選ばせるなどの研究がありますが、しかし、気を紛らわすとか問題を良い方向に考えるなどといったものは実験者が介入測定することは困難であるためほとんど用いられていません。
よって質問紙を用いた調査的なものが行われるのが一般的です。調査的なストレスコーピング測定は、対象とする被験者によってもその質問内容は異なってきます。
学校領域―学生を対象としたものでは学校におこりうること例えばテストなどがふくまれているのが特徴です。 職場領域では、会社従業員のほか看護婦、教職員、介護スタッフ、失業者を対象とした尺度が含まれいずれも職種に特有なストレッサーへのコーピングを測定することを目的とした研究が多いのが特徴です。