身体的発達について

身体的発達について

スキャモンの発達曲線
スキャモンScamonnは0歳~20歳まで各臓器が成長に伴ってどの位成長していくかを調べ発達曲線とした。
①リンパ型:胸腺、各種のリンパ節
②神経型:脳髄、脊髄
③一般型:呼吸器、循環器、腎臓、筋、骨
④生殖器:睾丸、卵巣、子宮、前立腺、性嚢
にわけてその各臓器の成人になってからの重さを100とし各臓器が成長に伴ってどの位成長していくかを調べ発達曲線とした。
①のリンパ型の成長は著しく12歳まで急激に増加し成人の190%まで上昇しその後下降線をたどり成人に近づくにつれ100%へとなる。
②の神経系も発達著しく10歳くらいで成人の約100%近くまでの重さとなりその後は定常状態となり成人を迎える。
③の一般型は徐々に重くなっていき、成人期で100%となる。
④の生殖器は14歳位から急激に発達し20歳まで急上昇し100%を迎える。
④に関して14歳頃から急激な発達をしていることは第2次性徴と関連があるのだろう。
第2次性徴期とは思春期の前半の部分にあたる この14歳前後の性的機能を含めた身体の変化は「思春期スパート」と呼ばれている。
第2次性徴ではホルモンの分泌のバランスが急激に変化し男性では男性ホルモン(テストステロン:薬学サイトの男性ホルモン剤の項を参照))が女性では女性ホルモン(エストロゲン:薬学サイトの女性ホルモン剤の項参照))が多く放出される時期である 従って男性では男性らしく、女性は女性らしくなるといった変化が現れる。
この時期の特徴としては
④の発達に見られるような通りであり男性では脂肪が減少、髭が生え、声変わりが起き、性器が発達、精通が始まるといった変化、女性では女性ホルモンの働きで男性とは逆に脂肪が蓄積性器が発達し月経が始まるといった変化が見られる。
この時期には急激に起こる生物学的な変化に心が追いつかず 急激に成長する身体へのとまどい、急激に変化する自身への体の変化への過度の関心、それは劣等感、違和感、不調感をもたらす。そして葛藤状態が起こる。 しかもこの第2次性徴が始まる時期は年々早くなってきており その原因は近年の日本人の身体の巨大化、早熟化と関わりがあるからである。
日本人の平均身長は平成に入ってからも年々高くなってきており、例えば
明治33年で17歳男性の平均身長が157.9cm、女性の平均身長が147.0cmであり、
平成11年時点で17歳男性の平均身長は170.9cm女性で158.1cmとなっている。
ここ100年の間に平均身長が10cm以上伸びたことになる。
最近の10年は落ち着いているとされているが「巨大化」と並行して起こっているのが「早熟化」である女子の初潮年齢を国別にみると軒並みどの国も低年齢化している。
こういった点から第2次性徴の始まる次期は早くなってきていると考えられるが、これは「発達加速化現象」と呼ばれている。