心理・経済からの視点

経済活動を理解するうえに於いては消費者心理、行動経済学の視点も重要である。

需要について

オペラント条件付けを知っているだろうか。オペラント条件付けはスキナー(Skinner,B.F)が発見したものであり、刺激に対してどういった反応、行動を示すかを研究したものである。例えばある刺激に対して特定の行動が促進される場合、それは、強化子と呼ばれ、反対に特定の行動が低減する場合、それは弱化子と呼ばれる。例えばレバーを日いた時、食物を手に入れる事ができたら、レバーを引く行動が強化子である。あるいはレバーを引く行動は労力となり、支払う対価と考える事が出来る。得られる食物は商品やサービスと捉える事が出来る。その商品やサービスが支払う労力、対価に見合ったものであるかどうか、それは対象とする商品、サービスの価値によるという事になる。価値をシンプルに価格とみなした場合、価格が上昇するに伴って支払われる労力、対価は下がっていく事が分かっている。この場合レバーを引く重さが重くなる事が「価格」である。通常、価格が上がり利益が増せば更に供給する量も増す、と考えがちだが、実際は一旦形成された条件付けでも、支払われる対価、労力が高くばるほど、つまり、「価格」が高くなればなるほど減少しそれに伴って需要も減少する。単純に「価格」の上昇に伴う利益が上昇すれば、利益が増し供給量が増すと考えがちだが、実際は支払われる対価は頭打ちとなる事が示されている。ちなみに対象とする商品、サービスによって「価格」上昇に対する行動の変化は異なる。強化子の強化真価と呼ばれる指標があり、「価格」の上昇に対し、支払われる労力、コストが変化しない商品、サービスの価値を示す。ガソリン、電気、そういった商品、サービスに対する労力、対価は「価格」の変動の有無に対して左右される変化が少ないと考えられている。支払われる対価、価格は「強化子の質的な特性に左右される」という事である。

反面、現実場面での「価値」は合理的経済な価値ではなく、心理的価値を持ったものとも考えられる。ダニエルカーネマンは人は経済的合理的に見えるが、実際は心理的要因が介在し不合理で非経済的な活動をする事を述べている。