発達研究の方法

発達研究の方法

縦断的研究とは 時間軸を直線的に見て研究を行ったもの。
縦断的研究では同じ被験者を経時的な変化を見るために時間軸に沿って追っていく方法である。
ある集団をいま現在から決まった期間追跡していくそのため過去にさかのぼってデータを収集し分析したりする方法と異なり比較的、費用、手間がかかる、追跡研究と呼ばれる事もある。
この研究手法では同じ被験者を追跡するので得られたデータの比較が被験者内で行うことができ、そこから重要な情報、結果を得ることができる。
横断的研究とは 時間軸を一定の箇所で区切って調査したもの ある。
一時点での被験者のデータを収集する 横断的研究においては縦断的研究と異なり一時点での被験者に関する情報を得るものであるため手間、時間がかからない。
また他の横断的研究の結果と比較する事も可能であるが例えば12歳の被験者に関するデータと、6歳に関するデータを比較した場合、確かに結果としては得られるが縦断的研究のように同一被験者内での比較とはならない。
そのため他の要因がデータに影響をしている場合があり比較においてその点は考慮するべきである。
発達心理学の観点からは経時変化が見られないというのが難点である。

コホート研究とは 基本的に前向き研究、追研究のスタイルであるが何らかの類似点を持つ人別にグループ(コホート)分類してその経時的変化に伴うデータを採取しコホート間、コホート内にて比較研究する 発達心理学でのコホートとは出生の同じグループを指すのが一般的である。
コホート研究には前向き研究、後ろ向き研究がある。
前向き研究は縦断的研究のように追研究になり、
あるコホートを決定しその時点から経時的なデータを蓄積していくものであり時間、費用、手間の面でも大幅なコストがかかる 。
後ろ向き研究はある一定のコホートの過去にさかのぼってデータを得る方法なので比較的手間、時間はかからない
双生児研究
一卵性双生児の研究。発達に伴って表出する人の能力や特質は遺伝によるものなのか環境によるものなのかを考える際にもし遺伝によるものであれば、遺伝形質の全く同じ一卵性双生児の場合はその後表出する知能、特質は環境が異なっていても同じものになるはずである。
また能力、特質が環境によるものであれば、たとえ遺伝形質が同じ一卵性双生児であったとしても生育の環境によってそれは異なってくるはずである。 といったように発達における遺伝的要因と環境的要因の関係について研究したものが双生児研究ということになる。
家系研究
ダーウィンの進化論に例えれば、バッハは音楽の道で特出した才能を発揮したがその家系にそういった天才が多かったのか(実際に調査した結果多かった)という研究。
またその他ダーウィンの家系やカリカック家に関しても研究がなされている 。
しかしこれらの研究はまず先に遺伝ありきで調査をされている事、ととどういった環境であったか(その家系独自の成育環境であったかもしれない、例えばバッハの場合代々小さい時から十分に音楽に親しめる環境にあったのかもしれない)という点からは環境の要因が抜け落ちていると言える 。
従ってある家系が天才を多く輩出しているからと言って必ずしも遺伝の影響である と言い切る事はできない 。