疑似科学商法

疑似科学商法


1、マイナスイオン関連の商品(エアコン、ドライアーなど)

2、電磁波を防止する商品(グッズ)

3、体に良いとされる水(特定の疾患に効能があることを暗にうたっている)

4、健康食品

5、エネルギーを人体に与えてくれる貴金属を使用した商品(ブレスレッドなど)

この中でいくつがその根拠に基づいているものとされているか

それぞれテレビの宣伝、新聞の広告、オンラインの広告でしばしば目にするものである しかしそれらの効果が本当にあるのか?

1、まずマイナスイオン関連の商品だが一般的にマイナスイオンというと化学の領域では例えばCl-であったりOH-であったりといった負のイオンを指す。 しかしこの商品の説明で使われているマイナスイオンの概念はまったく異なるものである。 大気電気学的領域における負に帯電した大気イオン(negative air ion)の事を指す 化学の知識が多少ある人ならば、なぜマイナスイオンが大気中に分子から解離した形で存在しなおかつそれが浮遊しているのか不思議に思った人も多いはずだ。 大気中全体としてマイナス側の電気をおびているからそう名づけられているという。 マイナスイオンと聞いて受ける印象とは実際には大きく異なる。 まるであたかもカチオン(-イオンの事)が電気分解されたかのように解離して空気中を浮遊しているかのような印象を与えかねない そして更に疑問に感じるのはマイナスイオンが体にいいという事である。 これに関しては製造業者ですらはっきりとした根拠のある説明をできていない。 つまりあたかも健康にいいという印象でしかないのである。 しかもこの「マイナスイオン」という言葉が独り歩きし環境などの他の分野にも平気で用いられるようになったのは昨今の「健康ブーム」も手伝っているのであろう事が考えられる。

2、の電磁波を防止する商品については基本的な物理学の知識があれば電磁波を遮断する効果は全くなくいわば「お守り」のようなものとされている。 ためしにそういった商品の効能書き(最近ではこの手の効果がないにもかかわらずその効果を連想させるようなネーミングやキャッチが施されているためその事に対する規制が強化されている)には電磁波を防ぐとは書かれていないはずである。 電磁波の悪影響を防ぐとされている つまりやはり電磁波防止グッズは「お守り」でしかないという事が言える。

3、4、健康食品と同じことが言える

4、の健康食品については効果があるものもあるが、やはり不透明なものが多い 。健康指向の真っただ中高価な金額をはたいて健康食品を買い込む人も少なくないだろう。 最近になって健康食品の効能・効果が極めて紛らわしいものが眼につく。 有名な健康食品でいかにも睡眠を誘う様なネーミングで発売され消費者に睡眠作用の薬効を持つ商品でるかの如く勘違いさせた有名な商品がある。 成分を調べると実際にはそれは極端に言ってしまえば「トマトジュース」に「酢」を混ぜたものであったという話がある。 また精神系に影響を与えるGABA(gannma amino butyric acid)はいかにもストレスに、毎日の健康維持にといった文句で売られ続けているが実際には経口摂取したGABAは中枢のGABA-Aと呼ばれる受容体には全く作用しないといわれる。 なぜなら血液脳関門(blood brain barrier)が末梢からのGABAを完全にブロックするからである。上記の 2例だけで健康食品を否定するのは正しくないが 以下に続く根拠で納得すると思う (健康食品の広告に目につくのは血圧が下がった、血糖値が下がったとうたっているものであるがそういった広告を見る際にはよく注意してほしい。 *これは個人の意見ですといったようなことが書かれている。 それは商品の開発の業者側が提示した効能ではなくあくまでモニターが主観的にそう感じているといったものである。 なぜそうする必要があるのか 答えは簡単で効能・効果が科学的に立証されていないことを業者側が明言してしまうと薬事法に引っ掛かるからである。

つまり、その手の広告はうまく巧みに薬事法の規制をすり抜ける意図がると考えられる。 そして1番肝心なのはそれらは健康食品は医薬品ではないという事である 「薬」と呼ばれるものは法律「薬事法」に規定された手続きを踏むが健康食品はそれを踏んでいない すなわちそれだけのものでしかないという事である。 それでも十分な効果のない健康食品が売れていることの要因として内服するだけで・・といった簡便さなどがあると考えられる。

5、も当然のことながら業者が提示しているような効果はないと言ってもいいと思う。 特別な鉱石や金属が体の疾患を治すといったことや、健康の増進に役立つといったものであるが十分な論拠に頼るものではないと考えられる。

以上の様な商品をあたかも効果がある という論拠にするために行われる研究なり実験なりが「疑似科学」と呼ばれるものである それは研究の分析やプロトコルに意図的に結果を出すためのトリックが仕掛けられている。 本当の科学とは結果が出てもまたそれまでの結果と相反するものであってもそういったトリックが仕掛けられていなければ科学と言えるのではないか。
「類似科学」(preudoscuence)という概念は,一見して科学研究のようでいて、実際には科学としての要件を備えない方法で取り組まれてる営みを指している 。