漢方薬1
服用方法について
現在汎用されているものは多くは一度煎じた物をスプレードライ等の製法によってエキス剤としたものである。
エキス剤は熱湯で溶かして人肌程度に冷やしてから服用するのが好ましいとされている。
一部は止血薬である黄連解毒湯や吐き気止めとしての小半夏加茯苓湯のように冷たくして服用した方が良いものもある。
一般的に空腹での服用が望ましいため基本的には食前投与となっているが、しかし効果には食後服用でもさほどの差はない。
そのためコンプライアンスが悪くなるぐらいなら食後も選択肢の1つとなり得る。
作用発現時間について
漢方薬は効き目がスローであるというイメージがあるが、以下成分名:エフェドリン、ショーガオール、リクイリチンのようにそのままの形で吸収され、血中濃度のピークに達するまでの時間Tmaxが1時間を切るものもある。
またセンノシド、グリチルリチン、ジンセノシドはTmax6~12hr、など作用発現は考えているより早いと言える。
小青竜湯は、短時間で花粉症に効果を発現する。
副作用
基本的に漢方薬の安全性は高い。しかし、間質性肺炎、肝障害などが存在する事に注意する。
間質性肺炎
間質性肺炎は高齢者で起こり易く漢方の中で20種が注意すべき薬剤に該当する。
肝機能障害
肝機能障害は例えば、インターフェロン投与中の小柴胡湯の服用でおこる。自覚症状がなく定期的な採血が望ましいとされる。
偽アルドステロン症
高血圧や低K血症などがみられる症状。
グリチルリチンは甘草の主成分であり、甘草は7割の漢方に含まれている。
重複して処方されている場合、合計で2.5g以上にならないように注意する。
併用についての注意点
Ca拮抗薬
柑橘類との相互作用が確認されているが、漢方の陳皮、橘皮は柑橘類を含むので併用時の降圧効果の低下には注意する。
α-グルシダーゼ阻害薬(糖尿病薬の項参照)
膠飴(こうい)のはいった大建中湯、小建中湯、黄耆建中湯は、マルトース、デキストリンといった2糖類を主成分とする飴を多量に含んでいるので 未消化体の2糖類が腸に蓄積していると考えられる状態の場合には避けることが望ましい。
以下疾患別 漢方用剤について
呼吸器系疾患
その他