痔疾患治療薬
病態
痔核(内痔核、外痔核)、裂肛(きれ痔)、痔瘻、肛門周囲膿瘍などがある。
痔核(内痔核、外痔核)は肛門内外の結膜下や皮下の静脈叢が静脈瘤状に拡張したものであり、
裂肛(切れ痔)は肛門上皮の裂創であり、
肛門周囲膿瘍は肛門陰窩から肛門腺に細菌感染を生じ膿瘍を形成したものである。
痔瘻は肛門陰窩から肛門陰窩から排膿部に至る慢性の炎症性瘻管である。
痔疾患の治療
保存療法、手術療法がある。
炎症を抑え創傷治療を促す事を目的とする保存療法としてまず挙げられるのが生活習慣の改善であり 食生活・排便習慣の是正、食物繊維を摂取する事、アルコールや香辛料の過剰な摂取を避けること、肛門を清潔に保つことなどが挙げられる。
薬物療法としては座薬、軟膏、内服薬が中心である。
痔核が脱出して還納に際して用手的介助を要する場合、外科的治療(手術)に踏み切ることもある。
薬物療法
坐剤、軟膏、内服薬、硬化療法(痔核に流れ込む血液量を減らし、痔核を固めて粘膜に癒着・固定させることで、脱出や出血の症状を改善)がある。その他、硬化薬(パオスクレー、ジオン)をまた消炎鎮痛薬や消炎酵素薬を経口投与することがある。
保存療法場面においてステロイドを使用する事があるが長期使用による免疫機能の低下による細菌感染には十分留意する。
軟便を保つこと、長時間の座位を避ける事が重要。
薬剤
抗炎症薬
ブロメライン・ビタミンE配合:ヘモナーゼ
動物静脈血管膿エキス:ヘモリンガル(舌下錠がある)痔核の腫脹や出血、疼痛、痒感の緩和に用いる。
ヒドロコルチゾン・フラジオマイシン硫酸塩等配合:プロクトセディル
ジフルコルトロン吉草酸エステル・リドカイン配合:ネイサート、ネリザ
循環改善薬
トリベノシド:ヘモクロン
トリベノシド・リドカイン配合:ポラザG
リドカイン・アミノ安息香酸エチル・次没食子酸ビスマス配合:ヘルチミンS
肉芽形成促進薬
外傷や炎症によって組織が欠損した部分に肉芽を形成させる(肉芽は、傷が治る過程で形成される粒状の肉の塊)ことで、創傷治癒を促進する作用
大腸菌死菌・ヒドロコルチゾン配合:強力ポステリザン
内痔核治療薬
フェノール:パオスクレー
硫酸アルミニウムカリウム水和物・タンニン酸配合:ジオン