脳卒中治療薬

脳卒中

病態

脳卒中は脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の総称。

脳梗塞は脳動脈の閉塞、狭窄によっておこる。

虚血周辺部では微小循環障害、脳浮腫がおきる。

脳出血は主に主に高血圧や動脈硬化による血管の障害によっておこる。

脳内に血腫が生じる事で正常組織が圧迫、破壊され生じる。

くも膜下出血は脳動脈瘤の破裂が主な原因となっておこる。

いずれも高血圧を主とした生活習慣病によっておこる。

脳卒中とは、脳の血管が詰まったり破れたりして、脳の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、細胞が死んでしまう病気。

治療

脳梗塞

心臓・静脈由来の栓子が原因の場合、抗凝固薬がもちいられる。

動脈血栓が原因の場合、抗血小板薬がもちいられる。

脳出血

急性期治療は、発症後の高血圧管理、脳浮腫治療薬(濃グリセリン、D-マンニトール)がある。

くも膜下出血

再出血予防に降圧薬がもちいられる。重症例で脳循環改善が重要となる。

脳卒中慢性期

後遺症への治療、再発予防が中心となる。

生活習慣病

生活習慣病の管理、改善が必要となる。

高血圧

降圧薬はCa拮抗薬、利尿薬、ACE阻害薬、ARBなどが用いられる。

糖尿病

血糖コントロールのみでなく、血圧管理、脂質管理が重要となる。

脂質異常症

総コレステロールやLDL-Cが高い場合HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)が、スタチン抵抗例では小腸コレステロールトランスポーター、PCSK9がもちいられる。


成分名と主な商品名

脳梗塞治療薬(抗血小板薬)

オザグレルナトリウム:カタクロット、オザグレルNa

脳保護薬

エタラボン:ラジカット

脳循環・代謝賦活化薬

シチコリン:ニコリン、シチコリン

メクロフェノキサート塩酸塩:ルシドリール

アデノシン三リン酸二ナトリウム

アデホスコーワ、アデホスLコーワ、トリノシン、ATP「AFP」

ガンマーアミノ酪酸:ガンマロン

イフェンプロジル酒石酸塩:セロクラール

ニセルゴリン:サアミオン、ニセルゴリン

くも膜下出血治療薬

ファスジル塩酸塩水和物:エリル

エンドセリン受容体拮抗薬:クラゾセンタンナトリウム:ビヴラッツ