呼吸促進薬

呼吸促進薬

原因

呼吸中枢の抑制による換気低下による。

対応

呼吸中枢を直接的に刺激、または末梢受容器を介して 間接的に刺激し病状の改善を行う 直接または間接的に呼吸中枢が刺激されると換気量↑ 血液中の酸素濃度↑ そのため低酸素症、高炭酸ガス(CO2)の症状は改善される。

使用薬剤と作用機所

末梢性呼吸刺激薬

利尿薬としても用いられる炭酸脱水素酵素作用を持つ アセタゾラミド(ダイアモックス)を用いるが ダイアモックスの薬理作用としては腎尿細管におけるHCO3-の再吸収を阻害する。

体内においてはHCO3-+H+→H2O+CO2という化学反応が起るが HCO3-イオン(重炭酸イオン)の排泄促進によってH+は結合ができなくなりH2O+CO2という形で排出されなくなる。

そのため、H+の上昇に伴う酸性側への傾きが起こり 代謝性アシドーシスと呼ばれる状態が起こる。

結果、PHの低下が起こり末梢の化学受容器を介して換気が刺激され 呼吸が促進される この薬理作用は人の恒常性(ホメオスタシス)を利用したものである。

麻薬拮抗薬

麻薬はオピオイド受容体のμ受容体に結合して呼吸の抑制作用を引き起こす そのためナロキソンなどの麻薬拮抗薬が呼吸促進作用を示す。

肺サーファクタント

抗中球エラスターゼ選択的阻害薬 抗中球(白血球の一種)から放出されるエラスターゼという酵素が 肺に障害を与え呼吸機能に影響する。
そのエラスターゼという酵素を選択的に阻害し呼吸機能を改善する 現在シベレスタットナトリウム水和物(エラスポール)のみが世界で唯一のエラスターゼ阻害薬である。