女性ホルモン剤、子宮用剤
ホルモン製剤
無月経、排卵誘発
原発性、続発性に分類される。内因性エストロゲン分泌のある第1度無月経、それ以外の第2度無月経に分類される。
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
卵巣に小さな卵胞(嚢胞)が多数ある症状。
一般的な不妊症の原因となってる。
脳下垂体から分泌されるホルモンと、卵巣から分泌される女性ホルモンのバランスが崩れ、排卵が障害された結果おこる。
ホルモン補充療法(HRT)
子宮内膜症
子宮内膜またはそれに似た組織が何らかの原因で、本来あるべき子宮の内側以外の場所で発生し発育する疾患が子宮内膜症。
疼痛、不妊とチョコレート嚢胞がおこる。
非ステロイドは疼痛を緩和する。
ホルモン製剤はエストロゲン・プロラクチン配合剤、ジェノゲストが第一選択薬として第二選択薬としてGnRHアゴニスト、ダナゾールがもちいられる。
チョコレート嚢胞は外科的治療の対象となる。
月経困難症
月経に伴う下腹部痛や腰痛、頭痛、悪心・嘔吐などの症状が、日常生活に支障をきたすほど強い状態。
器質的な疾患のない場合、薬物療法が中心。
PGを抑制するNSAIDsが有効。
他、エストロゲン・プロラクチン配合剤、黄体ホルモン放出システムがもちいられる。
月経前症候群(PMS)
生理の3~10日前に起こる精神的・身体的な不調。
非薬物療法、薬物療法にわけられる。
軽症時の薬物療法はドロスピレノン配合のエストロゲン・プロラクチン配合剤がもちいられる。
中等度以上、精神症状が主体の場合、SSRIがもちいられる。
子宮用剤
胎児を出産する際、十分な栄養を与えるために子宮自身の血液量は普通よりはるかに多くなっている。
胎児出産後の子宮においては血管が急速に収縮し胎盤からの血管群からの出血を防ぐ。
しかしこの流れがうまく機能しないと胎盤の剥離面(胎児出産後に胎盤も娩出する)から大量の出血(弛緩性出血)を起こすことがある。
分娩後に子宮の大きさが4~6週間で再びもとの大きさに戻るとされているがそれがうまくいかない状態を子宮完全復古不全と呼ぶ。
原因は子宮内感染や胎盤が子宮内に残っていることなどが考えられる。
結果 分娩後24時間を経てもなお出血が続く晩期出血に陥る。
麦角系アルカロイドは血管収縮作用によりその様な胎盤娩出前後における弛緩出血にもちいられる。
ほか子宮復古不全、帝王切開術、流産、人工妊娠中絶などの出血を抑える目的でも用いられる。
またプロスタグランジン製剤は子宮収縮作用を持つ。
分娩前の陣痛が弱い場合に子宮を収縮させ陣痛を誘発させる。
そのため妊娠末期における陣痛誘発・促進、分娩促進に適応をもつ。
切迫流産や早産においてはその子宮収縮を抑制させることが必要となる。
子宮にはβ2受容体が分布しstimulantによって子宮平滑筋は弛緩する。
そのためこれらの症状には、β2-stimulantが使用される。
卵胞ホルモン製剤
卵巣機能不全、無月経、更年期障害、月経困難症、機能性出血、骨粗鬆症などにももちいられる。
黄体ホルモン製剤
卵巣機能不全、無月経、機能性出血、月経困難症、習慣流産、切迫流産などにもちいられる。
卵胞ホルモン・黄体ホルモン配合剤
機能性子宮出血、月経異常、月経困難症、月経周期の変更、卵巣機能不全による不妊症にもちいられる。
女性・男性ホルモン配合剤
気分低下・うつ状態において更年期障害に対してもちいられる。
GnRHアゴニスト・アンタゴニスト
子宮内膜症や子宮筋腫、中枢性思春期早発症、排卵誘発などにもちいられる。
薬剤
女性ホルモンは大きく分けて2種、卵胞ホルモンであるエストロゲンと、黄体ホルモンであるプロゲステロンがある。
視床下部-下垂体ー卵巣系によってその支配を受けている 。
薬剤としては卵胞ホルモン、黄体ホルモン、それら2種の配合薬がある。
注意点
女性ホルモン製剤は、服薬量、休薬機関に注意する。
女性ホルモン製剤では血栓形成のリスク、その予兆には十分注意する。
手術4週間前から経口避妊薬(OC)は中止する。
経口避妊薬服用中は禁煙する事が望ましい。
経口避妊薬服用中に消化器症状がある場合、不正性器出血、妊娠リスクが高まる事に注意する。
卵胞ホルモン
エストラジオール:エストラーナ、ル・エストロジェル、ディビゲル、ジュリナ
エストラジオールプロピオン酸エステル:オパルモンデポー
エストラジオール吉草酸エステル:プロギノンデポー、ペラニンデポー
エチニエストラジオール: プロセキソール
エストリオール:ホーリン、エストリール
エストリオールプロピオン酸エステル:エストリオールデポー
結合型エストロゲン:プレマリン
合成エストロゲン
エストラムスリンリン酸エステルナトリウム水和物:エストラサイト
黄体ホルモン
プロゲステロン:プロゲホルモン、ルテウム、ルディナス、ウトロゲステロン、ワンクリノン:ルテウム
ジドロゲステロン:デュファストン
ヒドロキシプロゲステロンカプロン酸エステル:プロゲデポー、オオホルミンルテウムデポー
メドロキシプロゲステロン酢酸エステル:ヒスロン、プロベラ
クロルマジノン酢酸エステル:ルトラール
ノルエチステロン:ノアルテン
卵胞・黄体ホルモン配合剤
E・Pホルモンデポー、ルテスデポー、ソフィアーA、ソフィアーC、ルテジオン、プラノバール、メノエイド、ウェールナラ
エチニルエストラジオール・ドロスピレノン配合:ヤーズ
エチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合:ルナベル
低用量OC
エチニルエストラジオール・ノルエチステロン配合:シンフェーズT28
エチニルエストラジオール・レボノルゲステロル配合:アンジュ21、アンジュ28、トリキュラー21、トリキュラー28
デスゲストレル・エチニルエストラジオール配合:マーベロン21、マーベロン28
緊急避妊薬
レボノルゲストレル:ノルレボ
子宮体黄体ホルモン放出システム
レボノルゲストレル:ミレーナ
女性、男性ホルモン配合剤:プリモジアンデポー、ダイホルモン・デポー
排卵誘発剤
シクロフェニル:セキソビット
クロミフェンクエン酸塩:クロミッド
GnRHアゴニスト・アンタゴニスト
プレセリン酢酸塩:スプレキュア
酢酸ナファレリン:ナサニール
ゴセレリン酢酸塩:ゾラデックス
リュープレロリン酢酸塩:リュープリン
セトロレリクス酢酸塩:セトロタイド
ガニレクス酢酸塩:ガニレスト
レルゴリクス:レルミナ
子宮内治療薬
ダナゾール:ボンゾール
ジエノゲスト:ディナゲスト、ジエノゲスト「モチダ」
子宮収縮薬
メチルエルゴメトリンマレイン酸塩:メチルエルゴメトリン「あすか」
ジノプロスト: プロスタルモン・F
ジノプロストン:プロスタグランジンE2
ゲメプロスト:プレグランディン
ミフェブリストン/ミソプロストール:メフィーゴ
子宮収縮抑制薬
リトドリン塩酸塩:ウテメリン
硫酸マグネシウム・ブドウ糖配合:マグネゾール、マグセント