副腎皮質ステロイド

副腎皮質ステロイド

GCは一般的に経口投与の場合、2週間後に十分な血中濃度になるとされる。

炎症症状なら1~2日で症状の軽快となる。

重症の臓器障害の場合、大量投与、炎症のみのコントロールには少量投与となる。

離脱症候群に注意を要する。

投与法

一般に治療初期に十分量を使用する。

症状の改善や他の治療法の効果を待ち漸減していく。

SLEの場合、初期の2~4週間が過ぎて1~2週毎に薬10%ほど減量してPSLで5~10㎎/日にしていく。

より早く減量する場合も多い。

経口投与の場合1日3回服用が一般的となる。

1日の服用量が同じであれば分割投与が効果が増す。

同容量であれば夕~夜投与が有効だが、副腎抑制も強くなる。

隔日投与では非投与日に症状が悪化する事がある。

関節リウマチでは非投与日に症状が悪化する事がある。

大量GC投与で副腎委縮を合併した場合、回復に9か月を要する。

GCパルス療法ではPSL1000㎎を3日間連続点滴を1コースとする。その後、一般的に30~60㎎での投与とする。

副作用

PSL5㎎以上で副作用の発現頻度と重症度は用量依存的に増加する。

GC大量投与や免疫抑制薬との併用時には結核、ニューモチフス肺炎、B型肝炎の活性化などの対策が必要となる事がある。

長期使用で特に問題となる副作用は骨粗鬆症動脈硬化病変となる。

GCは動脈硬化の危険因子である高血圧、糖尿病、脂質異常を引き起こす。

これらに対しては降圧薬、抗糖尿病薬、脂質異常症治療薬で治療する。

その他、感染症や胃腸障害にも注意する。

相互作用

注意点

副腎皮質ステロイドは離脱症候群を引き起こす事があるので自己判断での中止、減量はしないようにする。

感染症のリスクがあるため感染対策に注意する。

長期投与中や大量投与は生ワクチンの接種ができない。

薬剤

副腎皮質ステロイド(全身投与)

コルチゾン酪酸エステル:コートン

ヒドロコルチゾン:コートリル

ヒドロコルチゾンリン酸エステルナトリウム:水溶性ハイドロコートン、ヒドロコルチゾンリン酸エステルNa「AFP」

ヒドロコルチゾンコハク酸エステルナトリウム:ソル・コーテフ、ヒドロコルチゾンコハク酸エステルNa「NIG」

プレドニゾロン:プレドニゾロン、プレドニン

プレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム:水溶性プレドニン

メチルプレドニゾロン:メドロール

メチルプレドニゾロン酪酸エステル:デポ・メドロール

メチルプレドニゾロンコハク酸エステルナトリウム:ソル・メドロール

トリアムシノロン:レダコート

トリアムシノロンアセトニド:ケナコルト-A

デキサメタゾン:デカドロン

デキサメタゾンリン酸エステルナトリウム:オルガドロン、デカドロン

デキサメタゾンパルミチン酸エステル:リメタゾン

メタメタゾン:リンデロン

d-クロルフェニラミンマレイン酸塩・ベタメタゾン配合:セレスタミン

合成鉱質コルチコイド製剤

フルドロコルチゾン酪酸エステル:フロリネフ